想定読者と、この記事でできること
検索ワードが「ポリシー 切替」「遅延 テスト」「自動 選択」あたりに寄りがちな方は、だいたい次の段階にいます。アプリは立ち上がる・購読も取り込めたが、タスクトレイ横の数値や稲妻アイコンを押したあとに出る結果の意味が腹落ちしていない。G/ GLOBAL と地域別のリストの関係が曖昧で、実際にブラウザの出口がどれを指しているか自信がない──といった状態です。
本稿では Windows 版 Clash Verge Rev の UI 表記(日本語/英語混在)に触れつつ、プロキシグループ=設定ファイル上の proxy-groups が画面にどう写っているかをたどります。select で手で線を決め、url-test(※購読やプリセットによっては「自動選択」「Auto」などのラベル)でコアが一定間隔で遅延を測り最良っぽい出口を指す、という役割分担を、ボタンと数字の対応で押さえます。
触る前に:プロファイルとモードの確認
まず「今いじっている YAML が実際に動いているか」を合わせます。サイドバーの「プロファイル」または同等の画面でアクティブな購読/マージ結果が選べているか、ダッシュボードでコア稼働とシステムプロキシ(必要なら TUN)が期待どおりかを見ます。ここがズレたままプロキシタブだけいじっても、「変えたつもりの出口にトラフィックが乗っていない」事故が起きやすいです。
日常はルールモード(Rule)前提で話を進めます。グローバル(Global)は切り分け用の全乗せモードであり、国内サイトまで巻き込むと体感が変わります。仕事用ブラウザだけ別線にしたい、などルールで分散している想定なら、まず Rule に戻してからグループを触るのが安全です。
メジャー版によってメニュー名やアイコン位置は多少動きます。見つからないときは「Proxies/プロキシ」「稲妻マーク」「Latency/遅延」あたりの語でサイドバーをクロールすると早いです。
プロキシグループの型を意識する(select と url-test)
Mihomo(Clash Meta)系のポリシーグループは、ざっくり言うと「最終的にどの proxies エントリに落ちるか」を決める分岐です。画面に出てくるカードの中でも、次の差が重要です。
- select(手動選択):ユーザーがアプリ上で選んだ子がそのまま出口になります。国タブや「◯◯-手动」系の名称で出ることが多いです。
- url-test(自動/遅延ベース):設定された 測定 URL へのアクセス結果から遅延を求め、一定条件で「いま一番マシそうな子」に切り替わります。画面では「自動」「Auto」「⚡」類の表示や、測定値の並びとセットで理解するとよいです。
- fallback / load-balance など:購読品質次第で出てきます。本稿の主役は select と url-test ですが、一覧に出ても「名前の左のアイコンやバッジ」で型を推定できると迷子になりにくいです。
ここで誤解しやすいのは、「遅延が小さい=速度が速い」の近似でしかない点です。HTTP 204 や小さな応答を取りに行くチェックは往復遅延の目安であり、太い帯域や特定ドメインの実効速度までは保証しません。とはいえノード死活の一次判断としては十分に有用です。
Windows の「プロキシ」画面の見方
左ナビのプロキシを開くと、設定ファイルの proxy-groups が折りたたみリストになっているはずです。上段に G / GLOBAL のような包括グループがあり、その下に「日本」「アメリカ」「媒体別」など購読提供者が用意した階層が続く構成が典型です。
各グループ行には現在アクティブな子の名前と、子ノード側に遅延数値や timeout が並びます。今どれが選ばれているかは、ハイライトされたラジオ風 UI やチェックマーク、あるいは左に寄った強調色で示されることが多いです。触ったのにブラウザが変わらないときは、ルールが別グループを見ている可能性が高く、RULE タブやログで「どのポリシー名に刺さったか」を逆引きします。
手動でノードを切り替える(select グループ)
特定サイトだけ別国の IP にしたい、配信サービスの地域ロックを一度だけ試したい、といったときはselect 側を直接指定するのが早いです。手順はシンプルで、対象グループを展開し、希望ノードをクリックしてアクティブ表示が付き替わるまで待ちます。
- ブラウザやアプリを一度リロードし、キャッシュされた接続が残っていないか確認する
- 期待する出口名の親グループを間違えていないか見る(「YouTube 用」と「デフォルト出口」が別カードになっている例が多い)
- もし効かない場合、G / GLOBAL 直下ではなく、ルールが参照している別名の select を触っているか確認する
購読の命名が英語だけのことも多いですが、操作自体は「カードを開く → 行を選ぶ」の繰り返しです。迷ったら一旦 最小限のカードだけに絞って試し、効いたら隣のカードへ広げます。
url-test(自動選線)を画面から読み解く
url-test は、設定されたパラメータ(測定先 URL、間隔、tolerance など)に従ってバックグラウンドで測定し、しきい値を満たす子を選びます。Verge の UI 上では、グループ名の横やツールバーに一括テストや更新のボタン、子ごとのミリ秒列が並びます。
実務的には次の認識で足ります。数値が更新された=そのチェック時点で TCP/TLS まわりがそのノード経由で届いた。timeout や異常に近い表示=そのノードまたは測定先に届かない/遮断されている。自動ラベルがあるカードで、しばらくするとアクティブ行が入れ替わる=再測定結果が変わり、出口も変えた方がよいと判断された、という動きです。
公共 Wi-Fi や会社プロキシ下では、測定用 URL 自体がフィルタされることがあります。すべての子が timeout に見えても、まずは生きている select ノードで通常ブラウジングができるかを別ルートで確認してください。
遅延テストを回す:グループ単位と一括
稲妻アイコンや「Test」「Latency」相当の操作は、だいたい二段階で理解すると楽です。(1)特定グループ内の子だけ測る、(2)画面全体に載っているノードをまとめて測る。後者は時間がかかり、一時的に UI が固まって見えることもあるので、ノート PC のバッテリー直後など電源管理で NIC が省電力になる瞬間は避けた方がよいです。
測定後に並ぶ数値は、厳密なベンチマークではありませんが、相対比較には向きます。「同じ地域グループの中でだけ見て、明らかに飛び抜けて大きい行を避ける」「timeout ばかりの行は当面使わない」といった運用が現実的です。定期的に購読更新するとノード集合自体が入れ替わるため、初回インポート直後と数日後で並びが変わるのは普通です。
GLOBAL や入れ子グループとの関係
G / GLOBAL は最終出口の切替に見えますが、実際にはルールが別のポリシーグループを参照している限り、そちらが優先されます。迷子になりやすい典型は、「GLOBAL は A 国なのにブラウザは B 国のまま」で、実際には動画サイト用のカードをルールが直接見ていた、というケースです。
入れ子は、親カードが子として別のグループ名を持っているときに起きます。画面では一段深く展開するだけですが、設定の責務としては「上位が下位の型(select / url-test)に従う」と覚えておけば十分です。入門稿で全体像を掴んだあと、本稿の操作を当てはめると腹落ちが早いです。
うまくいかないときのチェックリスト
次を上から潰すと、だいたい半分は原因が見えます。
- 正しいプロファイルが選択されているか(複数購読を試していると取り違えやすい)
- システムプロキシ/TUNがオフのまま「ブラウザだけ直結」になっていないか
- 手元の DNS がループやフィルタで変な応答を返していないか(別稿の系統と絡む場合はログで確認)
- ルールタブで、想定ドメインが別ポリシーに流れていないか
- セキュリティソフトがローカル API や仮想 NIC を塞いでいないか
ログの見方まで踏み込む場合は汎用トラブルシュートへ。Windows 特有のストアアプリ絡みはループバック稿が近いです。
よくある質問
遅延がすべて timeout っぽい表示になる
まず_alive なノードを select で指したときに通常ページが開けるかを見ます。開けるのに測定だけ死ぬなら、測定 URL やローカルファイアウォールを疑います。どちらもダメなら購読全体の不調や、コアが落ちている可能性が高いです。
自動選択が頻繁に乗り換わる
interval が短く、tolerance が狭いと、わずかな遅延ブレでアクティブ行が入れ替わります。見た目だけノイジーなら許容し、特定サービスでブレが困るならそのトラフィックを刺している select を手動固定する運用に切り替えます。
画面に特定のグループ名が出てこない
購読マージの結果、名前が変わっているか、そもそもプロバイダー側テンプレにそのカードが無い可能性があります。エディタで実 YAML を開き proxy-groups: を直接見ると早いです。GUI はあくまで写し鏡なので、定義が無ければ画面にも出ません。
まとめ:ルール型クライアントに触れる意味
単一ボタンの commercial VPN は手軽ですが、細かく「このドメインは直結、このサービスだけ別出口」といった出口の意志決定を残しにくいことがあります。逆に Clash / Mihomo 系は、多少学習コストはあっても ルール+ポリシーグループでトラフィックを説明可能にし、遅延テストと url-test でその場の健全性を数値化しやすいのが強みです。Windows 上で Clash Verge Rev をすでに動かせている読者なら、本稿の操作を一巡した時点で「画面の数字と実際の出口」の対応がはっきりするはずです。長期的にメンテの続くコアと分かりやすい GUI を一気に押さえたい方は、→ Clash を無料ダウンロードして、快適な接続体験を始める、公式のクリーン導線から環境をそろえるのが安心です。